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時のぬかるみ

今日という日はなんとも気だるい一日でした。なぜだかわかりませんが、とにかくもう眠たくて眠たくて。まあ、そんな日もあるでしょう。

3月が終わろうとしています。

どこまで行っても出口の見えない真っ暗なトンネルの中を、前だと思う方向へ手を伸ばして恐る恐る歩いていた、あの地獄のような日々からまだ2週間ほどしか経っていないという驚き。逆に、もう3月が終わるのか、もう2017年の4分の1が終わろうとしているのかという戸惑い。この二つの感情が同時に沸き起こり、少々混乱しております。

時間というものは、自由に伸びたり縮んだりするのでしょうか。秒針というものは、勝手に早くなったり遅くなったりするのでしょうか。少なくとも感覚の中では、そうなのでしょう。永遠のように感じる一分間、一瞬のように感じる一時間の中で、僕は生きているようです。太陽が何回昇ったかよりも、自分が体感している時間の中で、僕は歳をとっているようです。時間を長く感じれば感じるほど、老け込んでいくような気がしてなりません。

慌ただしかったあの日々も、だらだらと過ごした今日も、同じように長く感じました。砂時計の砂が、相当滞っていました。

黒い傘

それは僕にとってなんの愛着もない、真っ黒い傘でした。

いつかの帰り道、突然雨が降り出して、傘を持っていなかった僕は、駅のすぐ近くのコンビニに駆け込んで、黒い大きめの傘を買いました。

今朝、昨日からの雨がまだ降り続いていて、その黒い傘をさして職場に向かいました。もうすぐ4月になるというのに、冬が戻ってきたかのように寒い朝でした。職場の近くまで来たとき、道を挟んで向かいにある小さなスーパーで、あたたかい缶コーヒーを買おうとふと思いました。

僕はその店でよくコーヒーを買うので、当然置いてある場所は覚えていて、レジで会計を済ませるまでたった1分くらいのことだったと思います。

店を出て傘立てを見たとき、僕の傘はなくなっていました。

それは僕にとってなんの愛着もない、真っ黒い傘でした。

失ったことでしょうか。盗まれたことでしょうか。そこに悪意があったことでしょうか。あるいは悪意すらなかったことでしょうか。

何が僕をこんなにも悲しい気持ちにさせるのかわからず、冷たい雨の中立ち尽くしていました。

青い顔と赤い目をして

確定申告、無事に終わりました。終わるものですね。心配してくださったみなさま、ありがとうございました。

顔が変形するほどハードな1か月間でした。毎年、確定申告が終わるたびに「人生でいちばん働いたな」と思いますが、今回もまたその感覚を更新しました。毎年毎年ハードになっていくのでしょうか。

そして毎年、「なかなか倒れないものだな」とも思います。これまで経験したことのない激務や寝不足が何日も続いても、なんとか生きていけるようです。そんなに自分がタフな方だとは思っていませんが。

ただ、やはり頭はダメージを受けていたようです。とある日の帰り道、降りるべき駅とは違う駅で降りて、ホームを少し歩いてからあるはずのところに階段がないことに気づき、少し混乱してようやくいつもの駅ではないことに気づいた、なんてことがありました。

いちばんのピークは、3月13日でした。この日のうちにすべて終わらせる予定だったのですが、最後の1件に取りかかったときにはもう夜でした。事業所得で、1年分の帳簿の入力。1件1件「これは本当に事業経費か?」なんて検討する余裕もなく、ひたすらノートに書かれていることを会計ソフトに打ち込んでいくだけの機械になって、ふと顔を上げて時計を見ると、もうすぐ午前3時。あと2か月分の入力が残っていましたが、事務所の車を借りて一旦帰宅して、お風呂に入ってソファに座ったまま仮眠をとりました。6時に家を出る支度をしていると、起きてきた妻に「どっち?」と聞かれました。今帰ってきたのか、これから出発するのか、という意味でしょう。後者であることを伝え、事務所にまた戻ったのが7時。それから2時間ほどで一気に仕上げました。少しだけでも仮眠をとって正解だったみたいです。

こうして、14日の朝、僕の長すぎる1か月間は幕を閉じました。同業のみなさま、お疲れさまでした。

さて、今日から3連休です。何日ぶりの休みでしょうか。これまで暦の関係ない日々を送っていましたが、3連休はしっかりとらせていただきます。確定申告の期間中に普段の仕事が積もり積もって、もはや山頂がまったくもって見えませんが、そんなことは気にしないで。

試験勉強もほったらかしだったので、こちらも高い山になっています。崩れて襲いかかってきそうです。とりあえず、こちらから片付けなくては。仕事をしている場合じゃないです。

また、目の前と耳を塞いでいる髪の毛を切らなくてはなりません。去年の秋から伸びっぱなしで、とてもとても30代社会人男性の髪の長さではないです。

久々の休日、やりたいことは盛りだくさんですが、たっぷり眠りたいような気もします。奪われた自分の生活を、この3日間で取り返したいと思います。

僕の失踪

僕はどこにもいない

誰にも見えはしない

どうか構わないでほしい

そのまま放っておいてほしい

見て見ぬ振りでいてほしい

 

僕はどこにもいない

誰にも見えはしない

話せば話すほど誤解され

おかしなイメージができあがり

それを訂正することも許されず

 

ならば口を閉ざして

いっそ姿をくらまして

できれば忘れ去ってほしい 

すっかり忘れ去ってほしい

はじめから知らなかったかのように

 

彼が見ているのは僕なのか

彼女が見ているのも僕なのか

まるっきり別人みたいだ

僕が見ているのは僕なのか

僕が見ているのは誰なのか

 

僕の手に負えないところで

僕が一人歩きをしている

僕が卑下した僕がいて

僕が誇張した僕がいて

そのどちらでもない僕がいて

 

視線が矢のように突き刺さって

身動きが取れないでいた

一歩も踏み出せずにいた

どうだっていいことなのに

僕には関係のない話なのに

 

僕は僕を諦めよう

その目に映る景色を

塗り替えることはできないから

その物差しを取り上げて

曲げることはできないから

 

僕はたくさんいる

人それぞれの中に

それぞれの目で心で

映し出されている

そのどれもが紛れもない僕だ

 

僕はたくさんいる

人それぞれの中に

僕は僕を認めよう

ありのままで笑っていよう

それこそが紛れもない僕だ

確定申告に殺される

こんな時間なのにぎゅうぎゅう詰め

みなそれぞれの仕事を背負って

今日から明日に変わる瞬間

最寄り駅のホームに降り立った

 

皮のめくれた指先で

電卓を叩き続けて

血のにじんだ眼球で

画面を睨みつけて

 

カレンダーが襲いかかってくる

時計の針が襲いかかってくる

曜日感覚を失って

平衡感覚を失って

 

不足資料と申告期限との狭間で

一週間が一瞬だ

喉の奥に焦燥感を覚えて

吹き出物は吹き出続けた

 

熟睡を許されぬ28日間

うなだれている暇などない

1件終われば5件増える

確定申告に殺される

1か月間の遠泳

確定申告が始まっていますね。会計事務所で働く僕にとって、現在繁忙期の真っ只中です。時間が足りない中無理矢理学校にも通っているので、ここから1か月は休みがありません。ワークとライフのバランスがいちばん崩れる季節です。

他の仕事に追われてなかなか確定申告に手を付けることができず、ただただ積み上がっていく仕事の山。そんな仕事の山をずっと見つめているとどうにかなってしまいそうなので、そこから目をそらす努力が必要です。せめて家にいるときぐらい、パチッとスイッチをオフにして、頭を休めなくてはなりません。もやもやとざわざわを消し去らなくてはなりません。

でも、それはなかなか簡単ではありません。夢の中でも仕事をしている自分がいます。仕事のことが常に頭の片隅に、いやど真ん中に、堂々と居座っています。

家で何を考えたところで、物事が前に進むわけではない。何を思い悩んだところで、物事が解決するわけではない。どろどろと渦巻く不安の中、行ったり来たりするだけ。それは十分わかっているのですが、どんなに努力して遠く離れようとしてみても、気がつけばまたどろどろの中に逆戻り。

そんな季節に溺れそうになりながらも、なんとかうまく息継ぎをして泳ぎきろうとしている僕です。きっと1か月後には、向こう岸にたどり着いているはずです。

スイッチオフ

ひとまず思考を停止しよう

スイッチをオフにしてみよう

好きな音楽でも流して

締めすぎたねじを緩ませて

 

あれやこれやと不安なこと

次から次へと浮かぶけど

大きく深呼吸をして

ひとつひとつ片付けていこう

 

きっとなんとかなるだろう

これまでだってそうだった

いろんなことがあったけど

それなりになんとかなってきた

 

もっと遠くから見てみよう

目の前をふさいでいたものが

きっとちっぽけに見えるはず

大した問題じゃないって