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下北沢の亡霊

昨日、下北沢のカレー屋さんに行ってきました。僕も妻も好きなカレー屋さんで、家から下北沢まで少し距離はありますが、カレーが食べたくなるとたまに車で行きます。「パンニャ」というお店です。

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いつもはお店の近くの駐車場に停めるのですが、昨日はそこが満車で、少し離れたところに停めたので、久しぶりに下北沢の街を歩いたんです。そうしたら、いろいろと思い出すことがありました。

下北沢。

僕が22歳から3年間過ごした街です。夜中までバイトをしたり、バンドの練習をしたり、ライブをしたり、そんな生活を送っていました。

世間一般の人達はもう就職している年齢だったので、年下の、主に大学生と一緒にバイトをするというのは、あまり居心地のいいものではなかったですね。もちろん、文句を言える立場ではないのですが。

そんなバイトをしながら続けていたバンド。その頃は、日常的に、呼吸をするように詞や曲を書いていました。音楽は昔から好きなので、演奏すること自体は楽しかったのですが、いろいろとうまくいかないことも多くて、そこまで本気で情熱を注ぐこともできず、中途半端な形で終わってしまいました。バンドマンだった自分の影は、今も下北沢でふらふらとさまよっているのかもしれません。

住んでいたアパートは、陽が当たらなくてカビだらけでした。押入れに服を入れておくと、カビで真っ白になります。いろんなところが常に湿っていました。もう一度あそこに住めと言われたら、ちょっといやですね。

思い出してみると、今ここで語るのをためらうようなこともいろいろあって、僕の下北沢時代は多くの部分が暗い色で塗られています。濃い3年間でした。いろんなことが変わりました。そこを通り抜けて、今があります。

昨日、一番街を歩きながら、10年前にもこんなふうに、妻と並んでこの道を歩いていたんだろうなと、ふと思ったのでした。そのとき彼女の隣を歩く僕は、今とはまるっきり違う人間でした。でもそれはただ僕が思っているだけで、実際はほとんど変わっていないのかもしれないなと、心のどこかで思ったりもして。